栃木から世界へ!日本最高峰のハンドドリップを淹れる鈴木 清和さん/GLITCH COFFEE&ROASTERS(栃木コーヒー&スイーツフェスティバル2024)
喫茶店文化の根付く街、神保町。駅前にはオフィス街、少し歩けば古書店街が広がり、また日本屈指のカレー激戦区でもあるこの街に、国内外から本物のコーヒーを求める人で行列が絶えないコーヒー店があるのをご存知でしょうか?
ここは、これまでのコーヒーの概念を覆す、本物のコーヒーを味わえる場所。
この唯一無二のコーヒー店のオーナーバリスタ鈴木さんは、なんと栃木県出身。この記事では、その魅力や歴史をたっぷりご紹介します!
鈴木さんは地元である栃木県のコーヒーカルチャーをもっと盛り上げていきたい。スペシャルティコーヒーを、広めていきたい。と声をあげてくださいました。現在県内には、こだわりのロースターも多くあり、もっともっと盛り上げることができるはず。地方から発信することで、日本のコーヒーカルチャーはさらに熱くなる。インタビューから見える「想い」も併せてご紹介します。
INDEX
- 「GLITCH COFFEE & ROASTERS」とは
- 栃木県で過ごした20代
- バリスタの夢を叶えるために
- 栃木に本物のコーヒー文化を広めたい
- Tochigi Coffee & Sweets Festival 2024
1. 「GLITCH COFFEE & ROASTERS」とは
2015年4月にオープンした「GLITCH COFFEE & ROASTERS」。創業者は、栃木県日光市(旧今市市)出身の鈴木清和さん。
国内では、神保町・銀座・大阪・名古屋に店舗を構え、世界中のコーヒーイベントに出店している、世界が認めるコーヒーロースター*1です。国内の店舗にもかかわらず、約8割は海外からのお客様。その誰もが「GLITCH COFFEE & ROASTERS」のコーヒーに魅了されています。「純度の高さ」を求める鈴木さんは、「ブレンドは一切しないし、自分の好きな焙煎である"浅煎り"しか出さない」と話してくれます。
お店を訪れるとまず、スタッフさんが自分の好みやその日の気分をヒアリングして、自分に合ったコーヒーを選定してくれます。豆が決まると、1杯ずつ丁寧に、鮮やかにハンドドリップで抽出してくれます。店頭に並ぶ器具や内装によってつくられる世界観で、その場にいるだけで気分が高揚してしまいます。
抽出してもらったコーヒーを一口飲んだ瞬間、それはもう絶頂です!
「これがコーヒーなの!?」
「こんなフルーティーなコーヒーがあるの!?」
「GLITCH COFFEE & ROASTERS」のコーヒーを飲むと、そもそもコーヒーの実は真っ赤に実る果実であることを思い出します。
それくらい果実みが感じられ、わたしたち常識の中にある「苦さが特徴のコーヒー」とはまったく別物なのです。
「GLITCH COFFEE & ROASTERS」のロゴマークにも、鈴木さんのこだわりが詰まっています。
お店をオープンする前に、海外でも修行を重ねた鈴木さん。日本の良さを改めて痛感し、「日本から世界に、コーヒーカルチャーを発信する」というコンセプトのもと、コーヒー豆と日の丸がデザインされています。
現在、店頭では常時15種類の豆を取り扱っており、60種類以上がストックされているそうです。価格は800円から8,000円ほど!日本に40kg(煎ると30kgになってしまう)しか入荷しない豆など、とても希少な豆も取り扱っています。
*1 コーヒーロースター:コーヒー豆を焙煎する機械、人、お店
2. 栃木県で過ごした20代
テレビや雑誌でも取材されている鈴木さんですが、なんと栃木県出身と知り、飛び上がるような気持ちでお話を聞いてまいりました。そして、栃木県で過ごした20代の頃の貴重なお話を伺いしました。
プログラミングなどを学ぶ専門学校を卒業後、県内にある修理業の会社に就職。当時は資格を身につけ、その資格に応じた仕事をしていけばと思っていた鈴木さん。まわりの友人たちが夢を叶えていく姿を見て、「本当は自分は何がやりたいのか」「俺の夢ってなんだろう?」「このままで良いのか?」と悩まれた時期があったそうです。
ものづくりが好きだった鈴木さんは、仕事を終えた帰宅後や休日に、陶芸やシルバーアクセサリーなど制作を始めました。
鈴木さんのまわりには、良くも悪くもはっきり思ったことを伝えてくれる、仲良くも厳しい友人が多く「夢がないのはサルと一緒じゃん?人間だから夢を持てるんだよ!」と言われたこともあったそうです。
そんな友人たちに、自分で作った陶芸やシルバーアクセサリーをプレゼントしてもあまり喜ばれず、自分と他者との価値観のズレを強く経験しました。
そんな中で1番喜ばれたのは、自分で焙煎し、ハンドドリップ*2で淹れたコーヒー。その時に淹れたコーヒーは、なんてことない普通のコーヒーでした。しかし、友人たちからは「また淹れてよ!」「おいしかったよ!」と言ってもらえたことで、鈴木さんはコーヒーの世界へ没入していきました。
その後、鈴木さんがコーヒーを買いによく行った場所は、FKD宇都宮店と宇都宮駅のちょうど中間に位置する『珈琲問屋』さんというお店!色々な国の豆も扱っていて、コーヒー器具も豊富。通い詰めていた、と懐かしげに話してくださいました。
世界各国の様々な種類のコーヒー豆を飲んで、その奥が深さにはまるのと同時に「バリスタ*3」になるという夢を持つようになりました。「コーヒー業界に勤めない限りバリスタにはなれない!」と、意を固めたそうです。
*2 ハンドドリップ:コーヒーメーカーを使わずに、ドリッパーや細口のケトルを使ってコーヒー粉にお湯を注いで抽出するコーヒーの淹れ方
*3 喫茶店やカフェなどでコーヒーを淹れる職業の名称
3. バリスタの夢を叶えるために
自分の夢を叶えるために、当時の会社を退職してバリスタとして働くことを家族に話すと猛反対されたそうです。熱意に負けて許してくれたお母様に反して、幼少期の頃から厳しかったお父様とお兄様にはずっと猛反対されていたそうです。
そんな鈴木さんを見兼ねて「会社を辞めることを隠して、東京に転勤になったことにしなさい!」とアドバイスをくれたお母様。その後、鈴木さんは26歳で上京し、当時世界チャンピオンがいたコーヒー店に就職。
がしかし、そこでの仕事はとても厳しく、飲食業自体初めてだった鈴木さんは、初出勤で「シルバーを拭いておいて」という指示に「シルバーって?」となり「シルバーも知らないのか!」と激怒されたそうです。
その後も、言われた通りにシルバーを拭いていると「ただシルバー拭くだけじゃダメだ。お客様を見ながらじゃないと、何のコーヒーを頼んだのかわからないだろ!」と教え込まれたそうです。昼夜問わずコーヒーについて学びながら働いている最中、働きすぎで体調を崩してしまい1年あまりで退職することになったそう。
バリスタの夢が絶たれ、絶望を感じていたときもあったそうですが、夢を諦められなかった鈴木さんは、コーヒー豆のお店に勤めたり、焙煎工場に勤めたりと、コーヒーについての修行を2年ほど経験したそうです。
「そんな時に、オーストラリア出身のバリスタ世界チャンピオン、ポール・バセットが日本にお店をオープンすると聞いて、スタッフとして参加したんです。現在も第一線で活躍している焙煎士たちも、そこで修行していました。GLITCHがいろいろなお店とつながりがあるのは、この時の人間関係が大きいんです」
ポールバセットは、当時の日本での「常識」とまるで違っていて、今まで自分が学んできたことはなんだったんだろうというほど、鈴木さんがこれまで勉強してきたコーヒーの常識を覆されました。
「抽出理論に基づいてコーヒーを淹れる人はこれまでいなかった。はっきり言って、他のどのバリスタと比べても、段違いのレベルの高さだった。」
そんな出会いを経てポールバセットでの修行を続けたのちに独立!
鈴木さんは2015年に「GLITCH COFFEE & ROASTERS」を東京・神保町にオープンさせました。
4. 栃木に本物のコーヒー文化を広めたい
世界で活躍する鈴木さんが、なぜ今栃木県でコーヒー文化を盛り上げたいと思ってくれたのか。
それは、なんと!鈴木さんのお父様が当社・福田屋百貨店の重要なポジションで務められていることもきっかけのひとつなのです!
ちょうど今から1年前。スペシャルティコーヒー*4にハマっていた一部の社員が、「GLITCH COFFEE & ROASTERS」に出会い、初めて飲んだコーヒーが忘れられず、同じようなテイストのコーヒーを福田屋から発信して栃木に広めていきたいと思うようになりました。
その時、社内から「え?そのお店やってる人のお父さん福田屋で働いているよ?」という情報を得て、何か福田屋で一緒にできないかとすぐにお願いをしに行きました。お父様のご協力のもと初めてお会いした際、鈴木さんは嫌な顔をせず、「栃木に本物のスペシャルティコーヒーを広めたいですね」「福田屋でそのきっかけになるコーヒーイベントを一緒にやりましょう」と快く了承してくださいました。
余談ですが、鈴木さんに福田屋の思いで話もお伺いしました!
「生鮮食品は、福田屋が1番だ!福田屋に買い物に行くぞ!」というお父様と、幼少期はよくFKD宇都宮店に訪れていたそうです!
ご両親と福田屋に行くと、欲しいものを買ってもらえず、「買ってもらえるまで帰らない!」と店内に隠れていたこともあったとか!笑
*4 スペシャルティコーヒー:コーヒー豆の生産体制や品質管理が徹底されており、味や香りなど決められた評価基準を満たしているコーヒー豆のこと。全コーヒー豆のうち約5%くらいしかないと言われているトップクオリティのコーヒー豆
5. Tochigi Coffee & Sweets Festival2024
そこで、実現したのが2024年11月30日(土) - 12月1日(日)にFKDインターパーク店で開催される『栃木コーヒー&スイーツ フェスティバル』なのです。
鈴木さん自らが、全国の世界チャンピオンにお声がけくださり、夢のようなイベントを実現させてくれました。これまでになかった、夢のようなコーヒーフェス。県内に限らず、全国からコーヒーラヴァーがご来場いただけるのをお待ちしております。
現在、オンラインストアでは『栃木コーヒー&スイーツ フェスティバル』でご利用できる飲み比べチケットを販売中です。数に限りがございますので、ぜひお早めにお買い求めください。
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また、フェスティバル開催2日間共に、鈴木さんのトークショーを開催予定!
時間は、両日共に12:00-13:00。参加してくださる全コーヒーショップのスピーチと、鈴木さんによる講演が行われます。
サッカーで例えると、ワールドカップ日本代表が集結するような、野球で例えると、WBCの日本代表が集結するような、料理会で例えると、三ツ星シェフが集結するような、そんなすごいイベントがFKDインターパーク店で開催されます!この機会をぜひお見逃しのないようにしてくださいね!